校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2023年10月27日

第271号 「深志の森」は今…

 卒業生の皆さん、必見です!!

 美鈴湖の少し上、県有林の一角に「深志の森」があります。創立百周年の折(昭和51年1976年)、記念事業として森の中に百年館が建設され、昭和後期の深志生にとっては、思い出深い場所となっていると思われます。雪が溶け、暖かくなって林道の整備が行われると、郷友会や部活動、時にはクラス単位で土曜日の午後(当時はまだ半ドンで午前中授業があった)になると百年館を訪ね、コンパをしたり、合宿をしたりと百年館は活用されました。林道の入り口から歩いて1時間近くかかる道のりを行くと突然現れる山荘の姿に初めは驚いたものでした。

https://www.fukashi-alumni.org/column/komatsu/2015/03/345/

 平成の半ばになると、百年館で合宿をしていたのは、もっぱら吹奏楽部だったように記憶しています。(音を気にせず練習できた?)他の生徒は3年間に1度だけ、1年生の6月に百年館を訪れ、深志の森の間伐・植林作業を行っていました。

https://www.fukashi-alumni.org/column/komatsu/2016/07/377/

 平成20年代の前半の頃は、なぜか私が担当の一人となり、合庁で林務課の方と打ち合わせを行い、当日は4WDのレンタカーにご指導いただいたコバシュン先生と矢ケ崎さんをお乗せして百年館まであがり、作業が済むとお二人をお送りして、その晩は接待させていただいたことを覚えています。生徒たちは、朝は林道入り口まで貸し切りバスで向かい、林道を歩いて百年館まで行き、作業を終えて帰りは歩いて帰るという、まさに1年生の春の遠足となっていたわけです。

 しかし、百年館は老朽化が進み、設備の更新が難しいこと、県有林の借り受け期限が近づいていることなどの理由から平成28年(2016年)6月に取り壊されました。山作業はその年以降計画されておらず、ひっそりとそのまま10年弱が経過しています。

アカシア会作成百年館模型入り口側
百年館模型南側デッキ
現在の百年館跡の更地
https://www.fukashi-alumni.org/column/itoh/2015/10/358/

http://fukashi36.com/?s=%E6%B7%B1%E5%BF%97%E7%99%BE%E5%B9%B4%E9%A4%A8

 来年、いよいよ深志の森について県との契約期間が切れるため、返却方法を確認するため、先日事務長さんが県の林務課の方々とともに、「深志の森」の現状を見てきてくださいました。(私も行きたかったのですが、どうしても時間の都合を合わせることができませんでした。)その時、撮影してきてくださったのが、次の写真です。会議なんてキャンセルして、本当に行けばよかった。私はいつも石橋をたたきすぎて、やらずに後悔するタイプの人間です。素人の高校生が行った間伐作業ではありますが、林業における、あるいは、山を育てる上での間伐作業の重要性について、身をもって感じました。そしてそれに自分たちが関わっているということを思うと、なぜだか涙がこみ上げてきました。(涙腺が緩いので。)

間伐の行われた斜面 ところどころ切り株がわかる。木は真っすぐ育ち、順調に太さを増している。
深志の森隣接の作業のされていない一角、鬱蒼としており、木も曲がって商品価値は低い
間伐された斜面は日の光も差し込んでいる、落ち葉にびっしり覆われているせいだろうか、下草もあまり見えない。

 本日は45回生の皆さんによる尚学塾講演会、明日は卒業30周年記念式典です。百年館の思い出は持っておられるでしょうか。