校長通信
ゆくて遥かに
校長通信

2021年11月1日

第182号 主体性を育む委員会のこと

【主体性を育む委員会のこと】

 公立・私立を問わず県内の高校校長の組織として「長野県高等学校長会」があります。人権教育、生徒指導など様々なテーマを校長という立場で研究する専門委員会を設置しており、その一つに「生徒の主体性を育む委員会」があります。

 平成28年に新設された委員会で、その名の通り長野県の高校生の主体性を育むために何ができるかを研究し実践しています。

 令和3年度は、6月に「生徒実行委員」を全県募集し、集まった20名が今年度のテーマを話し合いました。

 (1)文理選択は必要か、(2)高校生の身だしなみ、(3)コロナ禍の文化祭、(4)コロナ禍で国際交流をより良くする方法を考えよう、(5)自分たちの高校をより良くするために、自分たちの高校を見つめよう、(6)学校での個性・多様性の出し方、受け入れ方、という6つのテーマに絞りました。

 10月2日(土)の交流会には、全県から70名を超える生徒たちがオンライン参加し、グループに分かれてテーマごとに100分を超える熟議が繰り広げられました。

6つのテーマに分かれて、オンラインで生徒同士の交流会が行われ、活発な意見交換がされました。

 自ら一般参加に申し込んだ本校の「齋藤航輝くん」「高須理功くん」(いずれも2年生)と「小野澤夢来さん(1年生)」に参加した理由と感想を聞きました。

  齋藤くんは「来年度の文化祭企画の中心を担うとんぼ祭実行委員長になったので、コロナ対策も含めて他校の文化祭の様子を知って来年に生かしたいと思いました。映像や音声の乱れなどオンライン開催の課題なども知ることができました。コロナ前の文化祭を知らないのは全ての高校生に共通しているからこそ、新たなアイデアを考えていきたいと思います。他校の生徒との交流は、いろんな視点が得られ、すごくいい機会でした。こうした企画があればこれからも参加したいと思います。」と語ってくれました。

 高須くんは「齋藤くんに誘われて参加しましたが、文化祭のアプローチの仕方の幅が広がりました。生徒に多くが委ねられている本校の良さがわかりました。」といい、小野澤さんは「コロナ禍での他校の様子がわかりました。他の高校を知るきっかけになり、繋がりを感じることができました。こういう機会が増えるといいと思います。」といっています。

生徒たちは、校内に掲示してあったこの募集案内を見て参加をしてくれました。

 

 かつてこの委員会を立ち上げた、当時の校長会長であり、上田高校校長を退職後は県教育委員会の高校改革推進役をお務めの「内堀繁利」先生に、立ち上げの経緯と現在の受けとめをお聞きしました。

 「今から7年前の平成27年,県の教育委員会から上田高校に校長として赴任しました。4年ぶりの学校でした。個人差はあるものの、全体としてはよく勉強もするし、班活動も盛んだし、文化祭やクラスマッチでも盛り上がっていました。でも、よくよく見ると、本当の意味での元気がない。疲れている生徒が多い。下を向いて歩いている生徒もいるし「誰かやらないか?」と聞いても手を挙げる生徒はあまりいない。指示待ち、受け身の生徒が多いようだ、と気づきました。

 自分で決めたこと、好きなこと、やりたいことをやるから、意欲的になり、いろんなことにのめり込む。それが態度や雰囲気にも表れる。学校における「探究」もその意味でとても大事だと思いますし、複雑で予想困難、正解がないこれからの時代には、自分の頭で考え、自分で判断し、自分の意志で他と協働しながら行動することがますます大事になります。

 校長会でこの課題意識を伝えると、他の学校も同じ課題を抱えていました。そこで、生徒の主体性をどうしたら育むことができるのかを、みんなで考える委員会を校長会の中につくることを会長として提案し、賛同を得ました。その委員会の議論の中から出てきた一つの手だてが「主体性を育む夏合宿」でした。「主体性合宿」は、1つの学校という枠を越えて高校生が集うことが大きな特徴でしたが、実行委員会形式にしたり、大学生のサポートを得たり、県議会の議員さんと議論する場を設けたりすることで、より充実したものになっていきました。コロナ禍で開催が危ぶまれた時も、校長会や県教委の皆さんがオンラインでやる形式を提案し、参加した高校生、サポートの大学生が知恵を出し合って、素晴らしい取組を継続してくれています。

 今でこそ、生徒が主体的に参加する企画や、1つの学校を越えて高校生が集う企画はたくさんあり、私がかつて勤務していた上田高校もそうですが、それぞれの学校に意欲的で主体的な生徒たちがたくさん出てきていますが、全県規模で見た場合に、それらのきっかけの一つは、確実にこの取組であったと思っていますし、その意義はますます増していると思っています。」

(上田高校については以下)

https://www.nagano-c.ed.jp/ueda-hs/

 上記3人のように、学校内に掲示してあるちょっとした案内から自分の世界が広がることがあります。外にも目を向けて、高校生として自身の学びの幅を広げ深める機会を大切にしてほしいと思っています。

(English version below)

   There is an organization for high school headmasters in Nagano prefecture, who gather from time to time to discuss school management.  One of the committees in it deals with the issue of how you can make students act proactively.

   Last June, in response to the committee 20 high school students throughout the prefecture volunteered as leaders to decide 6 agenda they would want to discuss with other students all through Nagano.  On the day of the students’ meeting online, more than 70 students participated in each of the six categories, talking and talking as long as 100 minutes in small groups.

   Three students from our school, Mr. Saito Koki, Mr. Takau Riku (both second-year), and Ms. Onozawa Yura (first-year), took part in the meeting voluntarily.  They say that they are taking care of the school festival next year, and that this kind of students’ meeting is so nice because they get to know the situations at other high schools and can get to know each other.

   Mr. Uchibori Shigetoshi, former principal at Ueda Senior High School, working now for the high school reform division in the board of education, comments about this event.

   “When I was transferred as a principal to Ueda seven years ago, I found the students there doing well in everything from studying to club activities, but also found them somewhat lacking animation, seemingly tired, and not active, waiting for instructions from others of what to do.

   “If you have something you really want to do, you will be automatically proactive to do anything.  You need to think, judge on your own, and act cooperatively with others in this world where you cannot find a definite answer to any problem.

   “When I talked about this problem I recognized in the headmasters’ meeting, other principals shared the issue, and tried to set up a meeting body where they would think of the way they should make the students act proactively.  One of the answers to this was the students’ summer camp.

   “I think this principals’ committee on making students proactive is one of the triggers to make high school students in Nagano go for the better in doing proactively.”

   I hope all the students at Fukashi will learn deeply, broadly, and extensively, sometimes looking for something interesting in and out of school.

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